大きな庭石を手作業で小割にし、境界石として活用。倉敷市内にて
倉敷・総社のお墓・石材専門店として、親子3代、お墓や石材に関するお仕事をさせていただております、大森石材店です。倉敷市内にて、大きな庭石を割って境界石として活用するというお仕事をさせていただきました!
倉敷市内 セリ矢を使った石割り
以前お墓のお仕事でお世話になったお客様からご相談をいただきました。お庭にある大きな庭石についてのご相談でした。
こちらがその庭石です。とても大きな庭石が二つありました。お客様は、出入口を広くして土地を広く活用したいのでなんとしたいとご希望でしたが、処分するにも費用がかかってしまうことをご存じだったので、石を割って境界石として活用できないかとご相談をいただきました。
推定ですが、大きな石で3,4トンの大きさがあります。これだけの大きな石は重量がありすぎてクレーンで吊り上げることもできません。いくつかに小さく割って配置すれば、ご希望通り境界石としては活用できますが、運搬は難しいため、このまま現地で割ることになります。
このまま現地で石を割る準備をしています。石を割るには、何カ所か穴をあける必要がありますが、周辺は住宅地なので、削岩機など大きな音を出す機械を使うことはできません。そこで今回は、昔ながらの「セリ矢」を使って穴をあけ、石を割ることにしました。
電動ドリルで穴をあけ、ハンマーで1本ずつセリ矢を打ち込みました。石目を見ながら直線状に打ち込んでいきます。きれいに割るため矢と矢の間隔を小さくしているので、たくさんの矢が必要でした。
打ち込んでいくと、矢を打ち込んだ直線に沿って少しずつ石が割れていきます。
こちらは、さらに新たな矢を打ち込んでいます。今回は、お客様のご希望の大きさになるよう割っていきました。
矢を打ち込んでいく作業を繰り返し、大きなひとつの石が4つに割れました。矢の間隔を狭く打ち込んだので、思った寸法通りにきれいに割ることができました。
小割にした石を境界石として据えて、作業完了です。
石を割って活用するという方法は、お客様が建設関係のお仕事をされている方でしたので思いつかれたのだと思いますが、一般の方にはなかなか思いつかないことかもしれませんね。ただ、処分すると大きな費用が掛かってしまうことを考えると、とても良い方法だと思います。お任せいただきありがとうございました。また何かお困りのことなどございましたら、いつでもご連絡くださいませ。
今回は、珍しい石割のお仕事でした。矢の準備など含め一から自分で用意して、うまく割れるように色々と工夫するなど、親子共々楽しみながらお仕事をさせていただきました^^ 普段のお墓仕事から学ぶことももちろんたくさんありますが、こういった珍しいお仕事はなかなかないので、とても貴重な経験になりました。ありがとうございました。
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