倉敷市内にて、石貼りに濡れてもすべりにくいブラスト加工を行いました
倉敷・総社のお墓・石材専門店として、親子3代、お墓や石材に関するお仕事をさせていただております、大森石材店です。倉敷市内の医院様よりご依頼いただいた、玄関の石貼りへのブラスト加工の工事をご紹介いたします。
倉敷市内 医院様 貼り石のすべり止め加工
リフォームをされる工務店さんから、倉敷市内の医院様をご紹介いただきました。お話を伺いに現地へ向かいました。
こちらは医院様の入口です。自動ドアの前は石貼りになっているのですが、雨の日に濡れてすべりやすくなってしまうのでお悩みでした。石貼りをしてから年月は経っているようですから、もしかすると長い間お悩みだったかもしれません。患者様方が安全に通れるよう、滑らないようにしたいとご希望でした。
右手からも入口に向かうことができますが、ここも同じように石貼りとなっていました。手すりが付いていて安全に段差を上り下りできるようになってはいますが、足元がすべりやすいと不安定になってしまいます。
この貼り石は、岡山県産の万成石というピンクがかった色合いの石で、表面は磨き仕上げとなっています。万成石は日本でも有数の銘石として知られており、先代の院長様から「この石を使いたい」ということでご指定があったそうです。以前から使われていた石を残そうとお考えだったようです。磨き仕上げはお墓の表面と同じで、ツヤツヤになるため見た目もきれいで汚れがつきにくいというメリットはありますが、濡れるとどうしてもすべりやすくなってしまいます。
工事開始です。まずは、入口前に置いてあったベンチや植木などを一旦移動させました。普段お掃除が難しい場所は、少し汚れも溜まっていました。
今回は対応策として、石の表面をサンドブラスト加工ですべりにくくすることになりました。すべりにくいようにする薬品を使用する方法もあったのですが、実際に試してみたところそれほど効果が出なかったので、お墓の施工で一般的なサンドブラストを行う方法をとりました。お墓の踏み石などにもすべり止めとして施工されることが多い方法です。
今回、ブラスト加工は現地で行います。ブルーシートなどで養生して、加工の準備をします。
サンドブラスト加工は、一般の方にはあまりなじみのない言葉ですが、お墓の彫刻などには一般的に使用されています。砂(サンド)などの粒子を高圧の空気で吹き付けて、表面を荒らすような方法です。中央にいる職人の持っているノズルの先から高圧のエア(空気)と粒子を吹き付けています。吹き付けた粒子が飛び散るので周りを汚したり傷めたりしないように養生して、加工を行う職人も吸い込まないようにしています。
サンドブラスト加工を行った石の表面は、荒らすことでザラザラとした質感になります。わかりやすく言うと、神社やお寺の参道の敷石のような仕上がりです。
端から5cmくらいの場所は、ピンクの養生テープを貼っています。この部分は、デザイン的に磨きの部分を残すことにしました。磨き部分とブラスト部分の際の部分は、特に慎重に行います。
丁寧にブラスト加工を行って、作業完了です!!
白い部分がブラスト加工をした箇所です。端の部分は磨き仕上げのまま残したので、縁取りのようなデザインとなっています。
階段部分です。こちらも縁を残してブラスト加工をしました。見た目にもスッキリと仕上がっています。
ベンチや植木などを元の通りに戻して、工事が完了しました。今後は患者様方に安全に通っていただけるようになり、喜んでいただくことができました。このたびは当店に工事をお任せいただきまして、ありがとうございました。
今回の工事では、作業中周辺への配慮には特に注意しました。サンドブラスト加工自体はお墓の施工では一般的で、工場で敷石にブラスト加工をしてお墓に設置することもよくありますが、こうした範囲の広いすべり止め加工を屋外で行うことはなかなかありません。そのため、周りに飛び散って汚したり傷つけたりしないようにすることはもちろん、街中だったので音がご迷惑にならないように、という配慮も必要でした。珍しい工事で、今後にもつながる貴重な経験になりました。機会をいただきありがとうございました。
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