総社市清音にて、岡山県産大窪石の自然石の歌碑を建立しました

倉敷・総社のお墓・石材専門店として、親子3代、お墓や石材に関するお仕事をさせていただております、大森石材店です。総社市清音にて、岡山県産大窪石の自然石の歌碑を建立させていただきましたので、ご紹介いたします。

 

総社市清音 自然石 歌碑 石種:岡山県産大窪石

 

以前お墓工事をさせていただいたお客様から、歌碑の建立をおまかせいただきました。大窪石は、岡山市の最上稲荷の東側の山で採れる石で、とても硬い石です。

 

こちらは歌碑の設置場所です。お母様が亡くなられて、お墓に戒名の彫刻をさせていただいたのですが、そのお母様はご生前に歌を詠まれていて、様々な場所で表彰されるような詠み手でいらっしゃったそうです。そんなお母様が詠まれた歌を、ご自宅のお庭に歌碑を建てて残したいとご希望でした。

色々なデザインや仕上がりのパターンを見ていただいた結果、自然石風のデザインを気に入っていただきました。石の選定等についてはお任せいただきましたので、こちらで歌碑にピッタリの石を探してご提案することになりました。

 

自然石風の歌碑を建てるにあたり、ピンときた大窪石の採石場へ、原石を選びにいきました。昔から懇意にさせていただいている採掘元です。

 

大窪石は、地元で昔から使われてきた歴史のある石で、石垣に使う間知石などのほか、お墓の台座などにも使われてきました。そうした歴史から、地元の方が建てられる歌碑にはピッタリなのではないかと選びました。お客様は関東におられましたので、お写真とメールで確認していただいて、原石を選んで加工作業に入りました。

 

選んできた原石をカットして、表面を磨いているところです。玉石を切った断面を磨き、そこに歌を彫刻します。

 

研磨を終えました。先ほどの採石場の写真では、表面が茶色っぽい色をしていましたが、断面を磨くと全く違う色合いで、味わいや表情も異なります。断面にキズやムラなどが出てこないきれいな材料でしたので、安心しました^^

 

磨き終わった石の表面に書家の先生に書いていただいた文字の原稿をあてがい、配置やバランスをみているところです。

 

最終調整をして、この配置に決まりました。こちらもメールでお写真をお送りして、お客様に確認していただきました。元の原稿よりも2割ほど縮小したサイズに決定です。このあと、彫刻と色入れを行って歌碑が完成します。

 

工場での加工をすべて終えた歌碑を、クレーンで吊り上げて設置しているところです。奥行きもある石でしたので、1トン以上の重量がありました。

 

設置完了です!

土の中に底部を少し埋め込んで安定させました。

 

三つの歌をバランスよく彫刻した歌碑正面です。石が持つ独特の素朴な風合いに、あたたかい印象を感じます。お客様はちょうどお盆前で帰省されていたので、完成の様子を現地でご覧いただけました。実際に設置する際にご相談しながら、通路に平行ではなく、門から入ってきたときにちょうど迎えるようなイメージになるよう角度を付けて設置したので、思っていた以上に良かったと大変喜んでいただくことができました。実は、こちらのお家のお墓を作らせていただいた際に、亡くなったお母様ともお会いしたことがあり、お母様もこういうものを残したいなとおっしゃっていたのを伺ったことがあります。親子の思いが一致して、思いのこもった歌碑が完成しましたことは、私も感慨深い思いです。このたびは当社にお任せいただきまして、誠にありがとうございました。

寸法をきっちりと測り、精密さを求められるお墓の仕事と違って、こうした自然石を使用した記念碑等の建立は、とにかく感性がすべてだと感じます。込められたお客様の思いも言ってみれば感性そのもので、それを受け止めて形にするこちら側にも感性が求められます。今回は設置するお庭との調和も大切でしたし、色々と考える点はあったものの、とても楽しくお仕事をさせていただきました。また、なかなかない機会ですので勉強することも多く、刺激にもなりました。貴重な機会をくださったお客様にも感謝申し上げます。ありがとうございました。