雨天時の工場での作業をご紹介。大島石の加工のようす
倉敷・総社のお墓・石材専門店として、親子3代、お墓や石材に関するお仕事をさせていただております、大森石材店です。
お墓の工事は、雨天の際は作業がしにくいため、主に工場内で行える作業を進めています。今回は、そうした雨天時の工場での作業のようすをご紹介いたします!
外は今にも雨が降りそうな天候です。工場に、採石元へ注文していた石材が到着しました。当社でよく扱う銘石、愛媛県産の大島石の原石です。大島石はその名の通り愛媛の大島で採掘されています。広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」の途中にある島で、大三島、広島尾道などを経由して、岡山県の当社まで運ばれてきます。
届いた原石は、工場の外にこのように置いておきます。いよいよ工場内での作業開始です。
原石をカットしています。お墓の下台になる一番大きい石を、寸法通りに切削していきます。寸法通りにするのはもちろんですが、石は自然のものなので、切断面がどんな状態になるかは切ってみなければ分かりません。お墓の表面には使えないような黒玉(黒い球状の模様)などが出てこないことを祈りながらの作業です^^;
【切削のようす ※大きな音が出ますのでご注意ください※】
こちらでは、切削した石を磨いています。お墓は仕上げの段階でも磨きますが、こちらは仕上げではなく、「ナデ」等がないか確認するために磨いています。「ナデ」は石の表面に見られることがあり、大昔に石が作られた時代の地層のムラのようなもので、帯状の模様のように現われます。見た目を損なうため、こうして確認をしてから次の作業に進みます。
こちらは切削を終えた石材に、穴あけ機で穴を開けているところです。五輪塔の擬宝珠(一番上の部分)を作るため、まずは円柱状に石をくりぬいていきます。
こちらでは、機械で加工した供物台を手で磨いています。供物台は、お墓の上台の手前面、水鉢の上にあります。基本的に、曲線の部分は職人が手磨きをして仕上げています。
こちらはお墓の文字彫刻をしているところです。棹石正面の家名や戒名板、家紋などを、この彫刻室内でサンドブラストという方法で彫っています。準備として、ゴムシートを石の表面に貼り付けて、彫刻する文字の部分だけを切り取ります。サンドブラストは、その切り取った部分にエアーで砂(ブラスト)を吹き付けて石を削り、彫刻する方法です。吹き付けた粒子が飛び散るので、こうした密閉された彫刻室に手だけを入れて行っています。
【当社で製作した愛媛県産大島石のお墓】
当社で建立させていただくお墓は、屋外の現場での工事だけでなく、雨天の際などに工場内でこうした作業も進めながら、最後に厳しい検品を経て完成します。当社の品質にこだわったお墓作りは、自社工場でお墓を作るからこそできることでもあります。今後も安心して末永くお参りいただけるお墓を作るため、お客様からは見えないこうした地道な作業も、大切にしていきたいと思います。
工場内での加工作業などはなかなか見ることがないと思いますので、機会があればまたご紹介させていただきます^^
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